世界唯一の生きた化石の博物館

Aqua Design Blue'S

こんにちは。
静岡のAqua design Blue’Sの佐久間です。

前回ご紹介した静岡県沼津市のある水族館
「沼津港深海水族館」
ですが、実は正式名称は
「沼津港深海水族館 シーラカンスミュージアム」
と言います。

そう!
シーラカンスに関する資料館が併設されているのです!

生きた化石と言われているシーラカンスは今だかつて水族館で生きたまま展示された
事がない魚ですが、ここは世界最多となる5個体ものシーラカンス(剥製)を見る事が
でき、世界で唯一の冷凍保存されたシーラカンスが置かれています。

1991年からこの魚はワシントン条約付属1に登録されているので現在では商業目的でも流通・展示が
出来なくなっているのですが、ここにあるのは条約で規制される前の1979年に
日本の調査隊が捕獲し、国際稀少野生動植物登録票を取得した個体。

しかも個人オーナーから海外の水族館に売却が決まっていたそうですが、この水族館のオープンにあたり
その契約を破棄して買い取ったものなんだそうです。

日本はシーラカンスの調査では世界のトップを走っており、
1972年に学術調査隊が編成され、
1986年に世界で初めての遊泳するシーラカンスの撮影に成功しています。

1989年には鳥羽水族館が生きたままの展示を目指してアフリカのコモロ諸島で
コモロ国立博物館と共同で調査・捕獲を行った事があり、両政府で捕獲と輸出入の許可がおり
生きている姿の映像撮影にも成功をして
捕獲まであと一歩というところだったのですが大統領が暗殺されるというクーデターが起きてしまい、
空港や港が閉鎖されてしまった為にこの計画は頓挫してしまいました。

現在ではアクアマリンふくしまが調査を行っており、大変貴重な生きた映像を撮影し続けています。

調査の際に使用した現地の木の船も買い取り、展示しています。

シーラカンスの剥製➀

剥製➁

魚拓!

剥製だけではなく詳しい解説や解剖した後の各部位など、とても貴重な資料がたくさん!


世界的に貴重な資料なのに、オープンを計画する際に銀行や行政の反応は悪かったそうです。

剥製➂

こちらが世界で唯一の冷凍シーラカンス。
2個体展示されています。

冷凍シーラカンスはマイナス20度で保存されているのですが、
状態よく保存する為に定期的に水を吹きかけたりと管理はなかなか大変なんだとか。

他にも珍しい深海ザメ、メガマウスの剥製も展示されています。

この剥製も世界でも展示しているのは日本だけで、
同じ静岡県の「東海大学海洋科学博物館」に2個体、
「京急油壷マリンパーク」に1個体、
「鳥羽水族館」に1個体あるだけ。

他に「マリンワールド海の中道」にホルマリン漬け標本、
「鴨川シーワールド」に骨格標本が
ありますが、これも日本でしか見る事が出来ない大変貴重な資料です。

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