自然を守るという事
こんにちは。
静岡で活動しております
Aqua design Blue’Sの佐久間です。
気がつけばもう6月。
夏の足音がすぐそこまで来ましたね!
私が和歌山県に住んでいた頃、
今頃の季節になると毎年ホタルを見に出かけていました。
大学時代に住んでいた大阪では、
町中のビルに作られたビオトーブにホタルを離すという、
イベントが開催され多くの人で賑わっていました。
都会の大阪と異なり、自然しかない和歌山では
もちろん人工的に離すわけではなく、
当たり前のように多くのホタルが飛んでいます。
数匹のホタルを目をこらして探すのではなく、
まるでドラマやアニメの世界のように
たくさんのホタルが飛び交う世界は本当に幻想的で
毎年楽しみにしていたのを思い出します。
静岡県はというと、
ホタルが飛んでいる場所はもちろんありますが、
現在住んでいる場所は近年住宅地としてとても人気のあるエリアで
新しい家がどんどん建設され、車の通行量も増えて行っています。
先日、町内の河川の清掃に参加した際、町の人からこんな声が聞こえてきました。
「最近、カワニナが棲息するようになったから、この場所はやらなくていいよ!」
カワニナというのは、ホタルの幼虫の餌となる淡水の巻貝の事です。
小さな頃はその川で泳いで遊んでいたという程に綺麗だったようですが、
ホタルが飛ぶことはいつの間にかなくなっていました。
しかし、その餌となるカワニナが最近帰って来たそうです。
「上流の農家さんが農薬を控えるようになったり、町の人が川を綺麗にする
活動が影響して来たんだろうね」
とおっしゃっていました。
この場所に、再びホタルが飛ぶ日がやって来るといいですよね!
ただ、この話には一つ注意しなければいけない事があります。
見つけた貝が本当にカワニナならよいのですが、
コモチカワツボという貝なら注意が必要です。
コモチカワツボはカワニナに見ためが似ていますが、
元々はニュージーランド原産の外来種です。
マスやウナギなどの魚と一緒に移入されたと考えられていますが、
ホタルの餌として意図的に持ち込んだという可能性も指摘されています。
繁殖力も旺盛で、現在までに23もの都道府県で棲息が確認がされております。
(主に東日本)
貝というのは本当に繁殖力が凄くて、水草とともに水槽に入り込むと
気がついたら水槽内に貝がたくさんいて頭を悩ませる事があります。
近年の研究では、このコモチカワツボを食べたホタルの幼虫は、
羽化する比率が低く、成虫になっても発育が悪かったり、点滅する光量が弱い
といった症状が確認されている事がわかっています。
本来の生息地とは違う場所に入り込んだ外来種を完全に駆除するというのは、
正直不可能に近い事です。
世界自然遺産の小笠原諸島に行った際、外来種を持ち込まない取り組みに
とても力を入れていました。
東京から25時間もかかる場所でも外来種の問題は深刻で、
すでに島内に入り込んでしまった生物の駆除に頭を抱えています。
船でしか交通手段のない小笠原諸島ですが、現在東京都が空港を建設しようとしています。
空港が出来て多くのかたが気軽に行き来するようになれば、外来種の問題は
一気に加速する恐れがあり、小笠原にだけ棲息する多くの固有種に影響を与える可能性があります。
地元のネイチャーガイドにお話を聞いた際、こんな事を言っていました。
「この島は過疎化とは無縁で、その自然に見せられた人たちが不便だとわかっていても
移住して来ます。空港が出来ればたしかに便利にはなるけれど、島の人々にそれが
本当に必要かというとそうとは思いません。不便なのがこの島のいいところの一つで、
自然を愛する島民の多くは恐らく空港なんていらないと思っているはず。
自然を守る事は大変で難しい事だけれど、壊す事は本当に容易な事。
便利かどうかだけで判断をして、空港なんて作って欲しくはありません。」
私も25時間かかる秘境だからこそ、この島には魅力があるんだと思っています。
本当に空港は必要なんですか??
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