日本初の海洋深層水
こんにちは。
静岡のAqua design Blue’Sの佐久間です。
突然ですが、弊社の海水魚水槽では
日本一深い海、駿河湾の海洋深層水を使用しています。
アクアリウムに詳しくない方の場合、
「普通は海水はどうしてるの?」
という疑問が浮かぶと思うのですが
一般的には人工海水という物を使用しています。
もちろん、多くのメンテナンス業者もこのパターン。
これは水道水に専用の塩を塩分濃度を調整しながら
溶け込まして作るというもので、沿岸部にない水族館などでも
広く使用されています。
海洋深層水を使うにあたっては、もちろんメリットとデメリットが
あるのですがその点についてはまた改めてお話ししたいと思います。
この海洋深層水を汲み上げる施設というのは
全国でもごく限られた場所にしかないのですが、
先日行って来た高知県室戸市は日本で初めて
海洋深層水の取水・研究施設が作られた場所です。
という事で
「室戸海洋深層水 アクアファーム」
という施設を訪問し、色々なお話しを聞かせて頂きました!
この施設は海洋深層水のPRを兼ねた施設で、
館内では取水の際に紛れ込んできた深海に住む生き物たちも
展示されています。
触る事も出来る水槽。海水は海洋深層水をかけ流しで使用。
ユメカサゴやコシオリエビ、ヌタウナギなどの生き物を展示しています。
個人的に苦手なオオグソクムシ。
子供の頃はダンゴムシなども好きだったのに、これはなぜか苦手・・・。
紛れ込んできた生き物たちはそのまま水と共に放出されるわけではなく、
ゴミなどを受け止めるストレーナー内に一度入ります。
展示されていたユメカサゴの場合、2週間に一度程度魚のキリ身を
餌として与えているそうです。
深海に住んでいる生き物なので元々餌はたくさんは食べないそうで、
1ヵ月に1度程度の給餌でも全然大丈夫なんだとか。
室戸の海洋深層水は取水管の長さが3125m、深度が374mという場所から汲んでおり、
養殖などの水産施設や各種商品開発、タラソテラピーなどの健康施設と
色々な利用がされています。
特に商品開発においては、様々な企業が海洋深層水を使用した商品を販売しています。
少し離れた場所では、港の一画(陸上)で海苔の養殖にも使用されていました。
元々、川や海が綺麗な高知県では良い海苔が採れたそうなのですが、
近年の温暖化などの影響で採取量が激減しているんだとか。
室戸の海洋深層水は、
元々は新世代発電である
「海洋温暖差発電」
の利用を検討されていたそうです。
この発電は、海の海面付近と深海の温度差を利用して
タービン発電機を回して発電するというシステムで
国内では佐賀大学が研究を行っているそうです。
ただ温度差が年間平均20度以上ないと発電には向いていないという事がわかり、
室戸では残念ながら実用化はされませんでした。
現在は沖縄県の久米島で研究継続されており、
他にアメリカ、フランス、中国などの国が研究を行っているようです。
環境に優しい発電ってなかなか難しいですね・・・。
アクアデザインブルースのHP
↓ ↓
Aqua design Blue’S 公式ホームページ