ナンヨウハギ

東城久幸
【東城流魚図鑑】

ナンヨウハギ

【学名】: Paracanthurus hepatus

スズキ目・ニザダイ科

【生息地】: インド洋・太平洋~沖縄までの珊瑚礁域

【全長】: 20~30㎝

※ 与えるフードの量と水槽の大きさ次第で成長のスピードと大きさが異なります。

こんにちはアクアリウムセラピー®研究家・水景フォトグラファーの東城久幸です。

今日はディズニーのアニメ「ファインディング・ニモ」「ファインディング・ドリー」で大人気となった「ドリー」こと、とても可愛い「ナンヨウハギ」をご紹介いたします。

ナンヨウハギは海水魚飼育をしている人ならだれでも一度は欲しいと思う魚ですね。

図鑑や解説書等には初心者には難しいと書かれていますが、愛情のある方なら上手に飼育ができる魚だと思います。

【性格】
ナンヨウハギは大変臆病です。警戒心がとても強く、なれないと水槽の前面には出てきません。
その為ライブロックやディスプレにナンヨウハギが通れるタテに平たい隙間をたくさん作ることが大切です。
平たい隙間は例え横向きでも入り込みます。
隙間を作る際は通り抜けるときに体に傷がつかないような素材のものや狭すぎない隙間を作ってください。
ナンヨウハギは水替えなど驚いたときには身体にぶつかるような小さな隙間でも入り込むので気を付けてください。
混泳する他の魚を攻撃することもほとんどないので穏やかで優しい性格です。

※ 東城流では東城久幸の長年の経験で書いていますので他の書物と全く違う内容もあると思います。特に魚には同じ種類でも必  ず性格が違うため私の伝える性格と真逆な魚も必ず存在します。我が家のドリーさんは他の魚と仲良しです。

もちろんこれから成長するにつれ性格も変わる可能性も否定できません。

【特徴と泳ぎ方】

ナンヨウハギは他の魚達と違い体の両側のヒレを上下に動かし泳ぎます。その為体が上下に揺れるように泳ぐしぐさがとても可愛く女性に大人気です。ファインディングニモの映画の中では「泳ぎましょう♪さあ、泳ぎましょう!♪♪♪・・・」と歌いながら泳ぐシーンが印象的ですね。

☆ ナンヨウハギの各ヒレには棘がありますが猛毒ではありませんが素手では絶対に触らないようにしましょう。

【体の色合い】

ナンヨウハギはとても綺麗な色合いをしています。全体が深いコバルトブルーの色合いに特徴なのは尾ビレを囲むV時型から目元まで続く太く黒いラインです。このブラックラインは見ようによっては数字の6や人間の手のようにも見られます。そして何と言っても尾ビレの黄色が鮮やかですね。このような色合いの魚は他には存在しません。

【フード】

 フードは1日1~2回あげてください。ナンヨウハギは成長期直ぐにお腹がすいてしまいます。痩せすぎないように体をチェックしながら適切に与えてください。

ナンヨウハギは主にベジタリアンです。時にはレタスなどをあげる人もいるようです。私はセラジャパンの海水魚フード「スピルリナタブズ」「セラオーニップ」を与えています。大好きでよく食べてくれます。タブレット状のこのフードを食べやすいようにハサミで半分に分けて与えています。

【水槽】

水槽の大きさはナンヨウハギがまだ小さいうち(15㎝未満)は60㎝水槽で十分でしょう。しかしそれ以上に成長する場合90㎝以上の水槽を用意してください。

【ろ過】

海水魚のろ過システムはオーバーフローに勝るものはありません。もちろん外掛け式のプロテインスキマーはとても有効です。

私的には殺菌灯は不要と考えます。

【ライト】

サンゴ育成を目的に強い光の中でナンヨウハギを飼育する人を見うけられますが、基本的にナンヨウハギはまぶしいのは嫌いに思えます。
さらに撮影でストロボなどを使うと岩陰に隠れて出てこなくなりますちなみにナンヨウハギの撮影はマクロレンズを使いシャッター速度はなるべく落とします。
魚撮影の場合ISO感度はなるべく低い方がみずみずしく撮影できると感じています。その為ブレる写真が多くなりますが、魚の泳ぐスピードに手を合わせシャッターを切ることで奇跡の一枚を撮影することができます。
※ 最近のスマホを撮影モードでナンヨウハギに向けるだけで電磁波を感じて逃げてしまいます。そんな時は三脚を立て動画撮影モードで写していると出てきてくれます。

ブルーのライトが似合うと言うことを良く耳にしますが、ナンヨウハギにブルーを当てるともともと濃い色合いがさらに濃くなってしまうため綺麗に見えなくなってしまいます。写真も上手には撮れません。

【攻撃】

ナンヨウハギはサージョンフィッシュの仲間の特徴で尾ビレの付け根にある鋭いトゲを出し敵と戦う際はそのトゲを横に飛び出させて攻撃をします。しかし私はそのような行動を見たことがありません。

【価格】

ナンヨウハギの価格は最近高くなってきました。現在小型で3,000円~6,000円程度です。多少成長した個体は1万円を上回ることもあるようです。

【寿命】

一般的にナンヨウハギの寿命は10年~13年と言われています。他の書物では直ぐに(半年程度で20㎝位)大きくなると書いてありますが、我が家のナンヨウハギは5年経過して約8㎝です。(とても元気です)大きくなると子供の頃の綺麗な色合いより少々あせた色合いになるようです。

【水槽】

海水魚はできればオーバーフロー水槽が理想です。我が家の水槽は60㎝のオーバーフロー水槽ですが、今後さらに大きくなっていくナンヨウハギには最低でも90㎝の水槽が必要になってきます。

【病気】

ナンヨウハギに限らず水質が悪くなることで発生する白点病菌は換水や器具ライブロック等常に綺麗に保つことにより予防ができます。そして必ず初期症状を見つけることが大切です。ナンヨウハギは白点菌等が体に付くと岩やライブロックなどに体をこすり付けるしぐさをします。そんな時は徹底的に水を変えて水槽内を綺麗にしましょう。

そのような場合底砂やろ過材もかき混ぜるようにして綺麗にします。薬を使うのはなるべく避けましょう。

後は寝る時間を多くしてあげてください。夜間水槽には必ずタオル等遮光性のある布をかけてください。

ナンヨウハギはライブロックの隙間に入りグッスリ眠っています。

※魚の病気の殆どは水質悪化とストレスです。毎日ムシメガネで魚の体をくまなく観察してください。

【水温】

水温はなるべく変化しないように心がけましょう。25~26℃が調子よいように感じます。

水替えは塩素の入る水道水はなるべく避けて綺麗な浄水器の水や、くみ置きの水を使用しましょう。

海水比重は1.019~1.024の範囲にしています。

 

写真撮影:水景フォトグラファー東城久幸

東城 久幸

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Aquarium TOJO Co., Ltd.代表取締役会長 アクアリウムセラピー®研究家 全国aquarium TOJO Familyグループ代表 一般社...

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