感染予防は何をしているの?

Aqua Design Blue'S

こんにちは。
静岡のAqua design Blue’Sの佐久間です。

先日、私が昔勤めていた施設で鳥インフルエンザが発生してしまいました。

園内では稀少な鳥たちや国内で最多飼育されているペンギンなど、
44種約850羽が飼育されていますが、
日本動物園水族館協会の定める「鳥インフルエンザ対応マニュアル」や
「家畜伝染病予防法」の免疫指針に従い、
感染した鳥とアヒル・ガチョウ・エミューなど
国内で家畜として飼育されている鳥たち57羽が残念ながら殺処分されてしまいました。

過去には、感染が確認された他の複数の動物園でも同様の対応が行われています。

新型コロナウィルス同様に感染予防を徹底していても感染してしまう恐れがあるというのが
現状です。

では、どんな感染予防をしているのか?
私が働いていたこの施設での知られざる裏側を紹介します。

対策➀:消毒
園内に入園する人、全てに消毒が行われています。
この「全て」というのが重要で、飼育係やお客様はもちろん、出入りする
業者や飼育係以外の従業員も含め全員が消毒の対象になっています。

お客様は入園口や鳥エリアなどを通る際に踏むマットで、
飼育係はバックヤードに入る際に消毒液を入れたケースに足を入れて、
業者や他の従業員もマットを踏むことで消毒がされています。

バックヤードに車両を乗り入れる際も車輛自体が消毒マットを通過し、
運転手は一端降りて消毒マットを踏まないと入る事が出来ません。

また、現在では新型コロナウイルスの感染予防も合わせて行われていますので、
手の消毒や検温なども徹底されています。

対策➁:清掃
園内はゴミ一つ落ちていないように清掃が徹底されています。
これは、園内の景観はもちろんですが、ゴミを動物たちが誤飲して
しまうという事故を防ぐことにもつながる重要な事でもあります。

もちろん、飼育エリアは各担当飼育係が清掃を毎日行っており、
糞などはブラシを使用して擦り落としています。

対策➂:洗濯
飼育係は着用した制服の園外への持ち運びが禁止されており、
制服はバックヤードにある専用の洗濯機でその日のうちに洗濯されます。

また、飼育係が帰宅する際には専用のシャワールームで
体を洗い流す事が決められています。

これらは園外に菌を運ばない為の処置で、
他園ではほとんど行われていません。

対策➃:宿直業務
マリンエリア・サファリエリア・パンダエリアそれぞれに
宿直業務を行う飼育係が毎日います。

宿直は深夜決められた時間に園内の見回りを行い
動物たちや設備に異常がないか確認を行います。

この「毎日」というのが注目で、他園の場合は
出産などがない場合は普段はいない場合がほとんどで、
この施設の場合は海の動物、陸の動物、パンダと
専門が違う動物がいますので、それぞれに精通した
飼育係がそれぞれのエリアを担当して見回りを行っています。

私は国内の様々な動物施設を訪問していますが、
ここまで徹底されている施設は他には知りません。

それでも感染が防げないのですから、個人的には正直どうしようもないと事
なんだと思っています。

でも、殺処分ほど悲しい出来事はないですよね。

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