妻から、魚達への想い・スプリンガーズ・デムワーゼルを見て・・・
ビジネス
妻から、魚たちへの想い・スプリンガーズ・デムワーゼルを見て・・・
私東城久幸は25年前にAquariumのメンテナンスに力を入れたレンタルシステムを
創り上げた張本人です。
今では多くの方が私の方法を真似てこのビジネスを行なっています。
お陰様でAquarium TOJO Family Teamは全国に増え続けています。
しかしその反面TOJO Familyから独立したり、このビジネスを真似た他業者さん達もここ数年すごい勢いで増え続けています・・・
その結果多くの場所でAquariumが見られる様になったことはとても良いことであると考える一方、
私は何て愚かなことを思い付いてしまったのだと、反省もしています。
それは便利になると自動車を発明した人が
車の事故で多くの人が死ぬことを想定しなかったようなものです。
25年間の今に至るまで私は様々な考え方を多くの人達に伝えてきました。
その時、その時代、自分の考えを良かれとの想いで多くの人達へ伝えたのです。
しかし2019年7月の現在、今まで伝えてきたことと全く逆のことを自分でしています。
話をすればそんな事当たり前でしょ、と言う方も多くいると思います・・・
話せば恥ずかしいこと・・・
でも今現在私の思うことは例え過去に真逆なことを言っていても今は自信を持って
「私はこう思います!」と伝えます。
私がAquarium TOJOとしてAquarium TOJO Familyの皆さんへ伝えてきた事実とは・・・
① 自分自身の飼育とレンタル先での飼育の違い・・・
② 餌は1日3〜5回が理想ですが、お客様はそれ以上多く与えてしまい、その結果水が悪くなり魚が死んでしまうことを見据えて、少な目の餌を1日ピルケースで1回で十分・・・
③ コケとの闘い、コケが直ぐ付くからライトを1日8時間以内にしましょう!と伝えてきました・・・
④ 魚が死んだとき衛生面を考え直ぐに処分しましょう。
トイレに流しても仕方がありません。
と伝えていました・・・
(この件に関しては現在心から大反省をしています)
⑤ 水替えは週1回水槽の水の約3分の1換水、水道水でもかまいません、
カルキ抜きを使わないでも大丈夫です。
多少の温度差は大丈夫ですと伝えてきました・・・
⑥ 水槽レイアウト、ディスプレイは高さ、奥行き、魚の泳ぐスペース、魚の隠れるスペースを作りましょうと伝えてきました・・・
⑦ 餌は金魚の餌でも養殖魚の餌でも何でも構わない、安くてよく食べる物を与えましょう。
⑧ メンテナンスのクライアント先で水槽を見る時魚を見るな!
周りを見なさい!と伝えてきました・・・
⑨ 安全が第1!と伝えてきました・・・
以上の事柄は過去の物として下ださい。
※最後に現在の考え方をお伝えいたします。
東城久幸と社長であり妻である東城幸恵が新たな
Aquarium TOJO Family Team
として大前提の考え方をお伝えします。
この現在の考え方を古くからfamilyとして行っている方に伝えると、
「私は初めからそうしていましたよ!」
と言われることもしばしばあります。
とても魚達への愛情を感じます。
私達日本人は魚を主食として生きてきました。
今も人間が生きるため多くの動物が犠牲になっています。
医療にしても常にマウスや様々な小動物が実験として使われています。
生きるために食べる行為は最低限仕方のないことかもしれません。
しかし味にこだわり人間第一主義として動物たちを”ないがしろ”にすることは本来あってはいけないことと考えます。
私の妻である東城幸恵の魚たちへの想いが私を変えてくれました・・・
妻は四国愛媛松山の出身です。
妻が言うには四国にはこういう言い伝えがあると言います。
それは生き物を大切にしないで”ないがしろ”にするととんでもないバチがあたる!
私は今その言葉を噛みしめ新たな考え方を多くの人達へ伝えることが私の義務と考える様になりました。
現在我が家では1500㎜の外部式フィルター仕様、フレグランス式水槽が1台、600㎜の底面式フィルター仕様の水槽が2台、600㎜のオーバーフロー式海水魚水槽が1台、800㎜の底面式フィルター仕様のフレグランス式水槽が1台あります。
この中のスプリンガーズ・デムワーゼルの行動から見えてきたことをお話しします。
私の妻は先にも書きましたが愛媛出身です。その為かとても生き物を大切に考えます。
私も生き物が大好きで大切にしていたつもりでしたが、妻の生き物の見方には常々感心しています。
通常複数入る魚の顔は大抵の場合分かりせん。
それを彼女は身体的特徴などで全て把握するのです。
後の文章は東城幸恵の観察記録から作ってみました・・・
文中には彼女の言葉も入ります。
【スプリンガーズ・デムワーゼルのAちゃん】
我が家には600㎜水槽に10匹の海水魚さん達が暮しています。
カクレクマノミ×3ナンヨウハギ×1シリキルリスズメダイ×1ヨスジリュウキュウスズメダイ×1そしてスプリンガーズ・デムワーゼル×4(もともとは6匹いました)
今日はこのスプリンガーズ・デムワーゼルについてお話しいたしますね。
スプリンガーズ・デムワーゼルはスズメダイの仲間達では一回り小さい(3〜4㎝)魚達です。
良くコバルトルリスズメダイとまちがわれます。
スプリンガーズ・デムワーゼルちゃんたちはコバルト・ルリスズメダイより濃いブルー色です。
フィリピン南部からインドネシアにかけてシリキ・ルリスズメダイ同様の地域に群れで生息しています。
どの専門書を見ても温厚で大人しく混泳に向いていると“大ウソ”が書かれています。
このスプリンガーズ・デムワーゼルちゃん達はカクレクマノミ×3匹、ヨスジリュウキュウスズメダイ、シリキルリスズメダイ、ナンヨウハギ達と一緒に専門雑誌の取材の為3年前、我が家に設置したものです。
600㎜水槽内で子供の頃はみんな仲良く暮らしていましたが、大きくなるにつれてだんだんと
“こぜりあい”
が多くみられる様になりました・・・
ある日1匹のスプリンガーズ・デムワーゼルちゃんがみんなから追い回されていました。
この子をAちゃんと呼ぶようにしました。
Aちゃんはとてもやさしい性格の子です。
みんなよりやや体が小さいAちゃんですが頑張ってご飯も食べてくれます。
600㎜水槽は綺麗にディスプレイされています。
スプリンガーズ・デムワーゼルちゃんはライブロックの隙間を好み自分のテリトリーを決める様です。
私達は水槽の水替えの都度ディスプレイ・レイアウトを変えています。
そのたびスプリンガーズ・デムワーゼルちゃんたちは素早く水槽内総ての状況を観察し自分のテリトリーを決めていきます。
みんなより一回り体の大きい子にBちゃんと名付けました。
しかしこのBちゃんがボスになり、いじめっ子NO1.になるのです・・・
BちゃんはいつもAちゃんを追い回します。
ついにAちゃんは水槽上方のコーナーに追い詰められ逃げる場所がありません。
調べてみるとスプリンガーズ・デムワーゼルの性格は相手が死ぬまで突くようです。
Aちゃんのヒレは既にボロボロです、体のあちこちにも傷が見えます。
このままでは優しいAちゃんが死んでしまうのでAちゃんを網ですくい隔離することになりました。
水槽の中で小さなカゴに入ったAちゃんはご飯もしっかり食べてくれ段々と元気を回復してきました。
ボロボロだったヒレも徐々に綺麗になってきました。
狭い処に入れられ数カ月が経ちすっかり元気になったAちゃんをまた水槽の中へ戻してみました。
結果は直ぐに見られました。
Aちゃんはまたヒレがボロボロになり元の隔離スペースに戻ってきました。
それから数カ月また元気を取り戻したAちゃんは別の水槽に入ることになりました。
そこにはカクレクマノミが2匹とナンヨウハギが1匹いるだけです・・・
Aちゃんは見る見る元気を取り戻しヒレも完璧に綺麗になりました・
Aちゃんはとても幸せそうに見えました。
しかし我が家では又大変なことが起こっていました。
何とAちゃんがいなくなって今度はDちゃんがイジメの対象になっていたのでした。
Dちゃんのヒレはボロボロになり、やはり隔離しました。
その後DちゃんもAちゃんの入る水槽に入れてみました。
私達の考えではいじめられっ子同氏仲良くなるのではないかと思っていました。
魚達の性格は先に入っているほうが立場が上で後から来た魚の方が不利なはずです・・・
初めの内は先に入っていたAちゃんが有利に見えましたが、2〜3日で立場は逆転しDちゃんが又Aちゃんを追い回し始めました。
またAちゃんのヒレはボロボロです。
私達はAちゃんが逃げられ隠れられるようにライブロックの数を増やし徹底的にAちゃんが隠れたり通り抜けられる場所を多く作りました。
この時はディスプレイどころではありません。隠れる所が最優先です。
その結果やっと2匹のスプリンガーズ・デムワーゼルA・Dは何とか平和に暮らすことができてきました。
そして今度はこの2匹をまた元の水槽に入れることになったのです・・・
ところがやはりこの2匹はボスであるBに追い回され2匹とも同じ小さなカゴの中に入れることになりました。
そしたら狭いかごの中でDちゃんがAちゃんを追い回します・・・
その結果この2匹は別々に隔離されることになりました・・・
因みにCちゃんは一番かしこいのか、Bに追い回されることなく又誰かを追い回すこともありませんでした。
その後AちゃんとDちゃんは又違う水槽に入り何とか平和な暮らしになりました。
そして3年間スプリンガーズ・デムワーゼルちゃんたちを見てきた結論です。
スプリンガーズ・デムワーゼルを飼育する為にはなるべく複数では飼わないこと!
夜寝る所や隠れる場所を沢山作ること!
とにかくスプリンガーズ・デムワーゼルは泳ぐことより隠れることが大好きな魚たちなのです・・・
【今の私達の考え方とAquarium TOJO Family Teamの方針】
先に述べた⑨の項目内容を変更します。
① レンタル先でも自分の水槽の様に魚達を一番に考えていきます。
②餌と呼ばずフードあるいはごはんと呼びましょう。
魚達はご飯が一番の楽しみです。
十分な量を上げて下さい。
フードは安い金魚の餌や養殖用の高カロリー食ではなく、魚のことを考えた専門フードをたっぷりと与えて下さい。
もちろんその分水は必ず汚れます。
しっかりと水替えをして下さい。
ピルケースは1つではなく2〜3つあっても良いと思います。
ただしフードボトルをそのまま置くのはさすがに止めて下さい。
(あげすぎてしまう危険性が大です)
③ ライトは魚に対し良い影響はもたらしません。
もちろん見る側からすれば明るい方が綺麗に見えるので明るめのライトを選んでしまいます。
私の感覚では1日6時間程度が理想です。
それ以外の時間帯はタイマー等で暗めのライトが点くように工夫しましょう。
④ もし魚が死んだときにはティッシュ等でくるみビニール袋に入れて持ち帰りましょう。
庭や植木鉢等、土に帰える場所に埋めて下さい。
今後Aquarium TOJOでは魚達の供養塔を作りたいと考えています。
⑤ 水替えの時はなるべく良い水を使ってください。
水道水直接ではなく浄水器を通した水が理想です。
水温もなるべく合わせて下さい。
カルキ抜きの薬はなるべく少なめに調節しましょう。
⑥水槽レイアウト、ディスプレイはまず魚達の隠れ場所をいっぱい作ることを土台と考えます。
その土台の上に形の良い景色を作ってください。
尚海水魚等に使うカザリサンゴは今まで漂白で白さをキープしてきましたが、漂白剤の使用はよほどのことが無い限り行わない方針です。
⑦フードはより魚のことを考えたものを用意して下さい。
⑧なるべく魚達の状態を見て下さい。
その後お客様の雰囲気も必ず確認して下さい。
⑨Aquarium TOJO Family Teamの考えは魚達の命と安全が第1です!
夜間又は営業時間外水槽のライトが消えても周りが明るい場所では水槽にカバーをかけて下さい。
魚たちは隠れる場所があり、より暗くなることで安心してぐっすり寝ることができます。
この方法を行うだけで魚達のストレスが無くなり元気になります。
因みに朝カバーを取り忘れると取るまで寝ているお寝坊さんも良く見受けられます・・・
なるべく実行してみて下さい。